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不眠について 眠りやすい心と身体にするヨガのポーズ
考え込んで寝つきが悪い、夢を見て途中で目が覚める、些細なことで目が覚める眠りが浅い状態・・・熟睡できない原因にも色んな種類があります。これらの状態はすべて不眠傾向にあると考えられます。
「明日は早起きしないと」「早く寝なくちゃ」と気持ちが焦ってしまい、考えれば考えるほど眠れなくなってしまい、不眠傾向が続くと、カラダもココロも、ぐったり疲れ果ててしまいます。
このような不眠状態の要因には、身体的な要因と精神的な要因があります。
今回は、不眠症の改善に効果的なヨガのポーズについてご紹介します。
不眠の原因について
身体的な原因
年齢を重ねると睡眠の質が低下する傾向にあるとも言われています。頻尿や夜間尿で夜中に目が覚めて戻ってからも寝られないなど、別の病気の影響で不眠の症状を引き起こしている可能性もありますので、同じ症状が長期間続くようであれば、専門医で治療することを検討されてはいかがでしょうか。
精神的な原因
あれこれ考えすぎて脳が興奮状態のままになっていたり、疲労やストレスから自律神経が乱れることで、不眠を引き起こしているかもしれません。また、うつ病などの精神障害も不眠と深く関係していると考えられています。
複雑な現代社会、疲労やストレス等は避けて通れません。
疲労やストレスで乱れた自律神経を整え、不眠を解消するヨガのポーズをご紹介します。
「行動するために必要な交感神経」から「休むときに必要な副交感神経」が働きやすい状態に切り替え、熟睡しやすい心と身体になりましょう。
不眠に効くヨガとは
眠りやすい状態にするには、副交感神経の働きを高める必要があります。
副交感神経を高めるには、吐く息に意識を向けた呼吸をする。または、お腹を膨らませる腹式呼吸を心がけヨガのポーズをとってください。
鋤のポーズ
土を耕す鋤の形に似ていることから名づけられました。
さかさまになることで背骨に刺激を与えることから自律神経が整えられ、ホルモンバランスの正常化が期待できます。
ポイント
このポーズは肩から背中までまっすぐに伸ばすことが大切なので、できるだけ背骨を伸ばすよう普段から心がけてください。
ポーズの取り方
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仰向けの状態から膝を立て、手のひらを床につけて身体の横に下ろします。
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息を吸いながら両足を天井に向けて垂直に持ち上げます。
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今度は息を吐きながら、両足を頭側へゆっくりと倒していきます。
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足先を床につけ、膝を伸ばしていきます。
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④の姿勢をキープしたままゆっくりと呼吸をおこないます。
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腹筋を意識しつつ息を吐きながらゆっくりと元の状態に戻しましょう。
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呼吸をゆっくり整えて終了です。
仰向けの英雄のポーズ
股関節を内回しするための柔軟性を高める効果があります。
足首調整、姿勢改善や骨盤調整の他、ストレス解消効果もあるので不眠症改善にもおすすめです。
ポイント
尾骨を膝の方へ向けていこうとすると膝が浮きやすいので、バランスをとりながら徐々に身体を倒していくようにしましょう。
ポーズの取り方
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ヴィラ―サナの状態(背筋をピンと伸ばしたお姉さん座りのような座り方)から息を吐きながら手を背中の後ろの床に置いて骨盤を後傾させていきます。
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肘を床につき、ゆっくり骨盤を後傾させて背中を床に近づけます。腰は剃りすぎないよう尾骨を膝の方へ向け、骨盤から後傾させます。
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背中が床に触れたら、鼻先は真上を向かせます。顎は上げすぎず、引きすぎないちょうどいい角度に調整します。この時腰の下のスペースをつぶしていくよう尾骨をさらに膝の方へ向けるのですが、膝が開いたり浮いたりしないようしっかり床につけましょう。
ガス抜きのポーズ
ガス抜きのポーズはその名の通り、便秘を解消したり腸の調子を整えるのにぴったりなヨガポーズですが、リラックスできるため、ストレス起因の不眠症にも効果が期待できます。
ポイント
ガス抜きのポーズは寝ながら2ステップで完了する簡単なヨガポーズです。とても気持ちが良くリラックス効果抜群なので、就寝前におこなうと快眠効果が期待できます。
ポーズの取り方
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仰向けになり、両膝を曲げ両手で脚をつかみ胸の方へ近づけます。
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ポーズをキープしながら5回深く呼吸をおこないます。
屍のポーズ
ごろんと寝転がった状態で行うので、疲れた心を休めるのにぴったりなヨガポーズです。ストレス解消効果があり、快眠効果が期待できます。
ポイント
このポーズはとにかく力を入れずにリラックスした状態でおこなうことがポイントです。目を閉じながらおこなうとより体がリラックスできて効果的です。
ポーズの取り方
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仰向けになり、足を腰幅またはヨガマットの幅に開きます。 足の指は力を抜いて外向きにリラックスさせます。
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腕は身体の両側に下ろし、手のひらを上に向けます。
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後頭部はしっかり床につけて安定させます。
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鼻から息を大きく吸い、口から息を吐く深い呼吸を20回ほど繰り返します。
起き上がるときは勢いよく起き上がらずに床を押してゆっくりと起き上がりましょう。
眠れないタイプも色々
健康的な眠りは誰もが望むところですが、持って生まれた体質もあり、4時間から5時間の睡眠で十分足りる人もいます。
もし、睡眠時間が少なくても、疲労感がなければそれほど問題視する必要はありません。
しかし、眠りが浅く何度も夜中に目が覚めたり、あれこれ考えてしまって寝つけなかったりする人は、ヨガや薬膳などで改善方法を見つけるようにしましょう。
また、自分の不眠のタイプを知ることで対処の仕方も違ってきます。
ストレスで眠れないタイプ
気持が興奮してなかなか眠ることができず、やっと眠りについたかと思うと、嫌な夢を見たり、夜中にびっくりして目が覚めたりします。
東洋医学でいう「気」の流れが滞っている状態です。
ヨガで筋肉を伸ばせば、経絡が活性化し気の流れがよくなります。
ベッドに横たわったら余計な力をすべて抜き、「無空のポーズ」をとりましょう。
無空のポーズは、仰向けに寝て両足を肩幅に開き、手のひらを上に向けます。ゆっくりと呼吸をくり返しているうちに、息を吐くたびにストレスが体から抜けていきます。
疲労で眠れないタイプ
夜遅くまで勉強や仕事に追われ、慢性的な睡眠不足の状態が続き神経が過敏になっています。長時間のデスクワークなどで疲労がたまり眠れないタイプは、血のめぐりが滞っている場合が多いようです。
座ることが多いと、心臓より下にある組織から血液が戻りにくく、下半身に静脈血がたまりがちになります。
すると、疲労や冷え、肩こりなどで安眠できなくなってしまいます。
ベッドに横たわり、下半身が心臓よりも高くなるように両手で骨盤を支えて、両足上げるポーズをとります。
また、寝たまま両手と両足を上げてブルブルとふるわせるゴキブリ体操も全身に血液を行きわたらせます。
虚弱体質で眠れないタイプ
このタイプの人は食が細く、貧血気味で熟睡できず、夜中に何度も目が覚めてしまいます。
健康でパワーのある体を作るには、ストレスで眠れないタイプや疲労で眠れないタイプと違い、気を放出するばかりではなく、プラスのエネルギーを取り入れることも必要です。
マイナスのエネルギーを体から抜きながらもプラスのエネルギーを蓄えるには、ベッドに横たわったら仰向けに寝て両足を肩幅に開き、手のひらを上に向け、無空のポーズをとりますが、片方のて手はパーにして悪い気を出し、もう一方の手はグーにして、よい気をためます。ゆっくり交互にくり返します。次に足の指も同じようにグーパーをくり返します。
まとめ
眠れないのはとても辛いことですが、自分にあったヨガを自分のペースでおこなうと徐々に不眠が解消されていきます。
朝起きたら太陽の光を浴びて交感神経のスイッチをON、夜になったらリラックスして休息状態に切り替える。陰陽バランスを整えて、ぐっすり眠ってその日の疲れはその日のうちに解消できたらいいですね。